プログラミング教育の必修化に伴って、よく聞くようになった単語が「DX」です。
そんな中で、一緒に「VUCA」という単語を目にしたことはありませんでしょうか。
今回は、その「VUCA」とは何かという説明とともに、その重要性について解説していきます。
VUCAとは?
VUCAとは、下記の単語を組み合わせた造語です。
V・・・Volatility:変動性
U・・・Uncertainty:不確実性
C・・・Complexity:複雑性
A・・・Ambiguity:曖昧性
元々は元々軍事用語として用いられていた単語ですが、近年ではビジネス用語としてよく耳にするようになりました。
簡単に言うと、VUCAは「将来のことが全く予測ないこと」という意味合いで使われており、
「この先どんなことが起きるのか全くわからない」ということを指しています。
VUCAとDXは何が違うの?
この先、DX(デジタルトランスフォーメーション)がどんどん進んでいくことが予想されます。
DXの本質は「トランスフォーメーション」であり、トランスフォーメーションが進むということは、自ずと「全く新しいビジネス」がどんどん登場することを意味します。
つまり、
DXが浸透することで予想もつかない未来が訪れる
↓
「予想がつない未来=VUCA時代が到来する」
ということなのです。
VUCA時代とSociety5.0
少し話が変わりますが、内閣府はこのVUCA時代における次世代の社会を形成する概念として「Society5.0」を定義しています。
サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)
https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/
今までのITといえばPCがメインだったのが2000年代だったのが、2010年代にスマートフォンが普及しました。
しかし、これらはいわゆる「情報端末」であり、ディスプレイの中で完結するものがほとんどでした。
今後、IoT(Internet Of Things:さまざまなものがインターネットにつながる)時代が到来することで、さらにネットワークの活用が進んでいます。
IoTの身近な例として挙げられるのが「スマートスピーカー」です。
スマートスピーカーは、今までキーボードやタッチパネルで操作していたのと異なり、「声」で全て操作します。
このように、情報端末のインターフェースはどんどん進化し、多彩な操作方法が今後も増えていくことでしょう。
トヨタのSociety 5.0
「トヨタがスマートシティを作ろうとしている」
という話を聞いた事はありませんでしょうか。
このスマートシティでは、
ロボット・AI・自動運転・MaaS・パーソナルモビリティ・スマートホーム
と言った先端技術を、人々の生活に活用し、新しい生活様式を提示していこうとする実証実験をしようとしています。
トヨタがやろうとしているこのスマートシティこそが、同社の狙う新しい生活
すなわち「Society5.0」なのです。
例えば、スマートフォンの普及により、人々は「インターネットによる情報収集」が身近になりました。
例えば、今までは地図を持って歩いていたのにスマホで位置情報を特定できたので迷うことが少なくなったり、常に連絡が取り合えるのですれ違いが減ったり。
あまり実感は湧きませんが、スマートフォンにより活動に変化は起きています。
Society5.0では、普段の生活にまでこのような「変化」が平気で起きるようになります。
今までの生活とは全然違う、さらに便利な生活が訪れることでしょう。
未来のVUCA時代と教育
VUCA時代において、危惧すべきは「世の中の変化についていけなくなること」です。
変化が激しくなるということは、それだけ「セオリーが通用しなくなる」ことが予想されます。
経団連の「Society5.0と初等・中等教育」
経団連の考える「教育」の最終目標は次の2つです。
- 課題発見・解決力
- 未来社会の構想・設計力
つまり、課題を発見してそれを解決する能力が求められることになリます。
また、小中学校における教育は次のようになってほしい、としています。
- 一斉教育から個別教育へ
- オンライン授業で地域格差を減らす
- 受身から主体的な学習へ
教育方法が変更されたとしても、親として何かできることは多くはないでしょう。
しかしながら、「主体的な学習へ移行していく」という点については、ご家庭でお子様と一緒に学習していくという姿勢がさらに重要になることでしょう。
参考リンク:http://www.keidanren.or.jp/policy/2020/063_gaiyo.pdf
主体性を育てるためにはどうしたらいい?
主体性を育てるためには、
- まずは自分で考えてみる
- わからないところはどんどん聞く
- わかったらもっと深く知る
というような「試行錯誤を繰り返していく」ことが大事です。
目標を立てると良い
とは言いつつ、いきなり自分で考えることは難しいでしょう。
そんな時は、何かしらの目標を立てることでモチベーションアップに繋げると良いでしょう。
目標自体はなんでも良いですが、知的好奇心を誘うものが良いでしょう。
例えば、モノを作ったり、実験をしたり、ゲームを作ったりすると、
子供も楽しく学習を進めることができるのではないでしょうか。
ただし、ここで大事なのは「自主的に目標を設定させる」ことです。
親に言われて決めた目標はなかなか継続しにくいことが多いのですが、「自分で決めた目標」であれば、モチベーションが高い状態を継続しやすいと言われています。
もちろん、目標設定のためにヒントを与えることも必要です。
お子様と話し合って、自発的に目標を設定するように促してみると良いでしょう。
さいごに
VUCA時代を生き抜く子供を育てるために必要なのは「課題解決能力」です。
そして、日本ではじまったプログラミング教育の本質は「プログラミングができること」ではなく、
「物事を考える力をつける」ことですので、このVUCAに繋がっていると言えるでしょう。
困った時に、
「何が問題なんだろう?」
「どうなったら解決になるんだろう?」
といった、考え方の基礎的な部分を身につけることが第一目標です。
「千里の道も一歩から」と言います。
試行錯誤を繰り返しながら進めていくことを忘れないようにすると良いでしょう。